2012年6月25日月曜日

スポーツレンズのミラーコートのメリット・デメリット

金栄堂にも多くの方々からミラーコートのレンズをオーダー頂きますし、

多くのアスリートが使用している姿を多く見かけると思います。

ミラーコートの発色の違いとベースカラーについて

タケオNEWSの方でも動画を作成してみました。

■タケオNEWS



ミラーコートというのは眼鏡レンズの場合、

レンズ基板の凸面の機能多膜層に反射増加効果を有したものを言います。



機能膜というものはプラスチックレンズで言えば幾層にもなるコーティングですが

一般的には7から9層の多膜層です。


層という言葉を用いていますが、端的に申し上げればコーティングであり、膜です。

このミラーコートは眼鏡レンズの機能を活かすために

反射の割合は20~60%前後の反射率のコーティングを施していきます。

光を全反射するものが鏡と思って頂ければよりわかりやすいかと思います。

コーティングをかける際には専用の窯で蒸着させていきますが、

この際ミラーコートに強弱をつけることなく

一定の割合の反射率のコーティングを蒸着していきます。

ですが同じミラーコートされたレンズでも反射が強く見えるものや

反射が弱く感じられるものもあります。

仮に反射率が20%だとすると、

レンズ表面で入射する光の20%がレンズ表面で反射しますので、

残りの80%は光を透過します。

つまり裏側の景色や眼が80%見えるというような割合を指します
(厳密には異なりますがニュアンスとして捉えてください)。

ここでレンズが50%の可視光線透過率のレンズに上記のミラーを施せば、

レンズ自体で50%光を吸収し、30%しか光が透過せず、

表面で反射をするために上記のレンズより目は見えにくくなり、

かつ見た目の反射は強く感じられます。

可視光線透過率20%のレンズであれば80%を元々のレンズで光を吸収し

反射光がより強く感じられます。

ラインナップされているものでわかりやすいもので申し上げますと

この画像はオークリーのLight+RedIridiumです。



こちらは上記と同じ+RedIridiumミラーコーティング(レッドミラー)されておりますが

ベースカラーが濃くなった+RedIridiumです。


レンズの透け具合がこの画像をご覧いただくだけでもわかると思います。

画像には実際のお色を見ていただくため

サイズ以外の画像処理は行っておりません。

このように同じミラーコートであっても、

元のレンズの色味や濃さにより光の吸収度合いが異なり、

ミラーの発色が強く見えたり弱く見えたりするわけです。

ファッション的な要素やメンタルのコントロールなどから

選ばれる方の多いミラーコート。

ご要望に合わせて最適な見え方、

そして見た目を的確にカラーアドバイスすることが出来ます。

ご自身からの見え方はもちろんですが、

見た目というのも大事な要素であり、こういったミラーを施すことで

光量を調節したり、メンタルコントロールをしたり

相手から眼の動きを察知されにくくしたりと

様々な目的に応じてこういったミラーコートを選んでいきます。

ここで注意点として、あまり薄いカラーのレンズで

ミラーコートを施した場合、レンズ表面の反射が裏面から見えてしまい

それがちらつきと感じられてしまう場合があります。



また、ある一定の方向から光が当たった場合

例えば夜間の対向車のヘッドライトや月を見た場合にその反射面、

増反射効果のためにライトが2重に見えてしまうような場合もあります。

かといってギャラリーからの視線が気になりわざと薄いレンズカラーで

ミラーコートを施したレンズをご所望される場合もあります。

このようにメリット、デメリットはやはりありますが

本当にあなたの求める視界を的確に、そして最適なレンズで

実現することが出来ます!






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