2012年2月14日火曜日

コントラストレンズの定義と使用

コントラストレンズの定義は一般的に注視物、

つまり最も見たい全体の景色の中の一部を背景よりも際立たせ

最も必要な情報をいち早く入れることにあります。

よくスポーツをしている時、競技を行っている時

あいつはセンスがあるなあ、この選手はセンスがある、と言ったりしますが

センスという非常に広く曖昧な言葉の中で一つ重要な項目があります。

スポーツ、競技においてはもちろんですが、日常の生活においても

私たちは情報を仕入れ(インプット)→行動する(アウトプット)して行動をしています。

その際に必要な、欲しい情報を、誰よりもいち早く察知でき

それに対して適した行動を行えるということは

競技においても非常に大きな力となることは間違いありません。

この情報を仕入れ、処理する能力、行動に移すことの出来る情報収集力、

これこそがその選手にとってのセンスとも言えるのではないかと思います。

その情報処理能力を向上させる一つの手段が

今回お話させていただくコントラストレンズというものです。

それではまずここで、コントラストが高い、低いとはどういうことなのでしょうか。

コントラストとは、一般にはある注目物体と

それ以外の背景とが区別できるような視覚的な特徴の差を言います。

コントラストが高くなると明暗の差が大きくなり

明るい部分や暗い部分がはっきりしますが、中間の色が潰れてしまいます。

逆にコントラストが低くなると明暗の差が縮まり中間の色が増えて、

明るい部分や暗い部分がはっきりしなくなってしまいます。

これはどういうことか、下記の画像をご覧ください。



まず左上の画像が元の画像の状態です。

左側は下段に行くにつれ、輝度(その物体に反射した私たちが見ている光の明るさ)を

低くしたものです。

そして右上は左上の画像の色彩(明度と彩度)を上げたものです。

右側の段は、その画像をどんどんそのコントラストを強調させていきました。

コントラストを強くすればするほど白い部分はより白く

黒に近い色はより黒く見えます。

その際色彩はコントラストを上げれば上げるほど、

どんどん認識出来なくなっていくのがおわかりいただけるかと思います。

右下の画像の岩の苔などはもう真っ黒になって見えてしまいますね。

コントラストレンズは見たいものがより際立つことでいち早くその物体であったり

景色の情報をいち早く察知することが出来ます。

ですがデメリットとして、色の認識がコントラストを高くすればするほど

不自然な見え方になるということです。

どの程度のコントラストを出すかの度合いによってレンズの色みや濃さも

大きく変動します。

極端な例で申し上げますと、当店のスキー用レンズ・OZ-16が代表例と言えるでしょう。

■スキー・スノーボード用レンズ・OZ-16



ゲレンデはまさに白銀の世界。彩度はほとんど関係ありません。

一面に広がる銀世界では、この極端なコントラストを出すレンズが

その効果を発揮してくれます。

こちらが実際にOZ-16を通して見た視界です。



このレンズを使用することで明るいところは明るく見え、

僅かなギャップもその明暗がしっかりと出て非常に見やすくなります。

ですがこれはその特殊な状況下での効果を発揮してくれるものであり

日常的な場面やその他のスポーツでは

色の識別がしづらくなりますのと、青や緑などは黒く見えてしまい

逆に黄色などは白っぽく見えてしまい、使えないカラーとなります。

そして例えばイエローレンズもこの明暗度を強調することで

暗い場面でのコントラストを出すことが出来ます。

■何もかけない状態



■イエローレンズを通した視界



夜などの暗い場面では色彩がわずかしか感じられず、

全体のトーンがかなり低いものとなります。

このイエローレンズを用いることで白が非常に強調され、

その物体を認識することが容易になります。

逆に日中などは白や明るさが強調されすぎるのに加え

暗い場面では見えにくかった色もこのイエローレンズで

明度が増してしまうために全体がぼやけてしまうのと

やはり眩しいです。

ロードレースなどの自転車競技ではオークリーのVR28や

ルディープロジェクトのレーシングレッドなどがよく用いられていますが、

これはその状況を考えた場合に非常に慣れやすい感度になっておりますのと

可視光線透過率が30~40%前後と、明るさもほどほどであることが

汎用性があり、コントラストレンズとしてその目的にもよりますが

用いられる場合が多いです。

これらの見え方などについてはまた後程ご説明させていただきますが、

OZ-16を始め、比較的赤系やオレンジ、黄色系のレンズを

コントラストレンズと呼ぶことが多いですが、

逆に青やグリーンレンズも、見る対象によってはコントラストレンズとも言えます。

一概にコントラストレンズを、コントラストを上げたいという考えよりも

しっかり見るもの、あなたが見たいもの、そしてその視界を実現するための

レンズが金栄堂の、そして私の考えるコントラストレンズです。







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